COLUMN

2020/

08/17

コロナ禍が教えるエネルギーの未来

再生エネルギー日本酒

「経済は社会の基盤であり、経済の発展なくして、豊かな社会も、教育や文化の繁栄もない」
――私は、長い間この言葉を疑うことなく信じてきた。

だが今では、それだけでは十分ではないことを、はっきりと感じている。経済が順調であれば、すべてがうまくいく――。そう考えるのは、あまりにも単純すぎたのだ。それを教えてくれたのは、コロナ禍という世界的危機であり、そして、自然の力の前に立ち尽くす人間の姿だった。

たとえば、エネルギーの問題を見ても、高度経済成長期には、「合理性」が最優先され、エネルギーの供給源やその使い方に対する深い配慮はなかった。

しかし今、私たちは問われている。自らが選ぶエネルギーのあり方が、どれほど社会や自然に影響を与えているのかを。

化石燃料やウランは、地中から採掘されるものであり、その使用は人類による自然破壊の側面を持っている。火力発電では二酸化炭素が発生し、地球温暖化を加速させている。原子力発電では放射性廃棄物という、未だに処理方法の定まらない“負の遺産”を生み出している。

行き過ぎた経済発展は、人間が自然をコントロールできるという傲慢な幻想を育ててしまったのではないだろうか。だが私たちは、すでに多くの自然災害から学び始めている。人間もまた、自然の一部であるということを。

経済は確かに社会の基盤である。しかし、それは自然との共生の上に成り立つ基盤でなければならない。

エネルギーとは、自然に源を依存するものであり、私たちはそれを“恵み”として、謙虚に、慎ましく扱うべきだ。無駄な使い方をせず、可能な限り少ない量で済ませる。そして、最大限に効率よく活用する工夫を重ねていく。

エネルギーを考えるということは、自然への敬意を考えることに他ならない。

執筆者:柏崎和久

株式会社I.T.I、SAKERISE代表取締役

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