執筆者:柏崎和久
株式会社I.T.I、SAKERISE代表取締役
2026/
04/03

先日、栃木県小山市の酒蔵「西堀酒造」で開催された「手詰めの会」にて、小さな酒粕ブースを出させていただきました。当日は天候にも恵まれ、地元の方々が多く足を運んでくださり、会場は穏やかで温かい空気に包まれていました。
今回ご用意したのは、クラッカーに酒粕とレーズンをのせ、メイプルシロップをかけたシンプルなおつまみ。「美味しいですね」その一言を、何度もいただきました。
酒粕という、日本酒の“あとに残るもの”が、こうして誰かの「美味しい」になる。その瞬間に立ち会えたことは、とても嬉しい体験でした。
普段の私は、電力・エネルギーという、どちらかと言えば無機質で、地味な世界に身を置いています。そんな私が、その日は赤いエプロンを身に付け、酒粕をクラッカーにのせていました。正直、少しは恥ずかしいのかと思っていましたが、不思議とそうでもありませんでした。ただ、後から写真を見ると、格闘家のような体格の男がエプロン姿で立っている。我ながら、少し面白い光景です。
イベントの企画や運営は、決して派手なものではありません。それでも、人が集まり、笑い、味わい、何かを持ち帰っていただける。こうした時間をつくる仕事は、とても豊かなものだと感じました。
この年齢になって、こうした場に立てたことを素直に「楽しかった」と思います。イベントの後蔵の近くを少し歩くと、桜が咲いていました。いつも見ているはずの桜ですが、その日はどこか違って見えました。少しだけ、特別な景色でした。
自分が面白い人間なのかどうかは、正直よく分かりません。ただ、こうして様々な場に関わり、多くの方に支えられていることは、確かです。今回の小さな酒粕ブースも、その一つです。大きなイベントではありませんでしたが、きっと、忘れられない時間になると思います。
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執筆者:柏崎和久
株式会社I.T.I、SAKERISE代表取締役