メインコンテンツにスキップ

甑倒し(こしきだおし)

早いもので桜が開花の季節となりました。

日本酒造りの世界も、甑倒し(こしきだおし)が終わった酒蔵も続々と出てきており、
鑑評会出品や今年の新酒の出来栄え評価や、次回に向けた反省などが行われていく時期です。

甑倒し(こしきだおし)」とは、酒造りの末期になって、最後の醪の仕込みを終えることを指します。
お米の蒸し作業がなくなるため、釜に据え付けていた甑(お米を蒸すための大きなせいろのような道具)が不要となり、甑を横に倒して洗うことからこのように呼ばれています。(参考


(蒸し上がり直後の甑の様子)

私の方の酒蔵でも、先日甑倒しが終わり、今年の造りの反省の時期に差し掛かりました。
お酒はすぐに出来上がるものではないため、フィードバックまでに時間がかかります。
たとえば、今季の酒がしっかり夏を越せるかどうか(味が崩れないかどうか)などは、数カ月先の判断です。
「あの部分が悪かったのかもしれない」
「あの良かれと思ってやった改善策は良くなかったのかもしれない」
社外の審査を含めた客観的な利き酒評価の結果から、いつも数カ月分の醸造期の動きを想い起こします。
私自身も、今季はミスをしたこともあり、未だに引きずっています…
同時に、いつもこの反省タイミングで思うのは、酒造りは共同作業であるということです。

酒造りは、一人では絶対にできないチームプレイそのものですし、
本当に基本的で地味で些細な部分でも、気を抜いておろそかにすると大変なことになる。
そして、その粗はしっかりと品質にも返ってくる。
手をかければ、そのぶんしっかりと応えてくれる。
声は出さないけれども、造り手に語りかけてくるのが、日本酒です。
年度末で色々と変化の時期ですが、心もしっかり入れ替えて、春からスタートに向けて臨みたいと思います。
西堀酒造六代目蔵元:西堀哲也

他の記事

ショッピングカート

カートは現在空です
ショッピングを続ける
お問い合わせ頂きありがとうございます。 購読ありがとうございます 再入荷のお知らせをします The max number of items have already been added There is only one item left to add to the cart There are only [num_items] items left to add to the cart