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吟醸酒の麹造りとは

寒い日が続いていますね。全国各地で大雪のニュースが見られるこの時期、酒蔵は吟醸酒の仕込みにとりかかることが多いです。1月,2月の仕込みは非常に神経を使います。精米歩合50%以下、つまりお米を最も削って造るクラスの「大吟醸」「純米大吟醸」。これらは、お米を削る割合が多いだけでなく、その麹造りも変わってきます。

麹には、「破精(はぜ)」と呼ばれるサインがあります。「破精(はぜ)」は、米の周りに出来上がる、麹菌が繁殖したサインですが、大きく「総破精(そうはぜ)」と「突き破精(つきはぜ)」に分かれます。全面に真っ白になるのが総破精(そうはぜ)で、糖化の力も強く、旨味もしっかり出ます。一方、突き破精(つきはぜ)は、糖化の力は総破精に比べて弱いですが、グルコアミラーゼという酵素が高くなるため、結果的に雑味を少なくしつつ甘みをしっかり出す麹になります。


↑表面がポツポツと斑になっている「突き破精」。割って菌糸が奥まで食い込んでいることを確認したり。

酒化率の観点でみると、総破精(そうはぜ)の方が酒粕になる割合は低くコスパが良いです。一方、突き破精(つきはぜ)は、搾った後の酒粕の割合が半分近くになるなど、非常に酒化率は悪くなります。しかし、その犠牲のもとに雑味を低減し甘みを出した「大吟醸」の味わいを出すことができます。そのため、特に高級酒や出品酒の酒造りを行うこの時期は、「突き破精(つきはぜ)」の麹造りに取り組むことが多いです。突き破精(つきはぜ)の麹造りは、水分量の調整をはじめ、非常にシビアな温湿度管理を行います。地味で根気の要る作業が連日続きますが、正念場です。麹は酒粕となって日本酒の搾りでなくなってしまうので、日本酒を飲む上で実際の麹を見る機会は少ないと思いますが、麹造りの工程は、「一麹 二酛 三造り」と言われるように、実は最も重要な工程で難しいものです。ここでは到底書ききれませんが、麹造りは最新科学でも完全に解き明かせていない奥深い世界です。

↑麹をルーペで見てスケッチしたりする人もいますこのシーズン、酒蔵見学で運が良ければ実際の麹を見せてくれる所もあるかもしれません。今回は日本酒豆知識の、「麹」の世界のご紹介でした。西堀酒造六代目蔵元:西堀哲也

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