世界に向けた日本酒と多様性について
「多様性(Diversity)」という言葉があります。昨今では、人種・言語だけでなく、価値観や文化の違いといった広範囲なものが定義されています。多様であるという事実の中で、それぞれの差異や違いを...
酒造りと目に見えないもの
酒造りには、「偶然性」や「ゆらぎ」の要素が含まれる。一方には、酒質として目指す方向性がありながら、他方には、実際の醸造を行いながら都度直面し続ける不確実性がある。醸造プロセスを要素分解し、最終ア...
私たちが支払う電気代はどこへ?
私たちが支払う電気代、一体どこへ行ってしまうのでしょうか?私たちは、電力会社に電気代を支払いますが、大半のお金は、化石燃料(石油や石炭)を買うために外国に出ていってしまっています。その金額は日本...
並行複醗酵からみる、相矛盾する動きの難しさ
日本酒造りの特徴として、座学で勉強する際に必ず覚えるワードがあります。
それは、「並行複醗酵(へいこうふくはっこう)」という言葉です。端的に言うと、「糖化」と「発酵」が同時並行して行われますよ、...
口噛みノ酒
むかし昔、世界に誇るSAKEは、若い女の子が噛んだお米でお酒を造っていたということ、ご存じでしょうか?唎酒師の教科書によると、日本酒造りの起源については、今から約2000年前の弥生時代の初めに伝...
自然に寄り添う「アニミズム的感性」とは
5月も中頃となり、田植えの季節となりました。米と水、そして菌。シンプルな原料を扱う我々酒蔵にとって、この大地と自然のもと、巡り巡って生かされているということを、田植えの始まるこの時期に感じます。...
「金鶴」醸造元、加藤酒造店
以前、再生可能エネルギーの普及に向けた佐渡での取組みを紹介させていただきました。参考:佐渡でSAKE RE100この中で、佐渡には5つの酒蔵があることを紹介させていただきましたが、今回は「SAK...
再エネ普及に向けた日本酒
再生可能エネルギーの普及に向けた日本酒が誕生した、最近のニュースのご紹介です。〝太陽光発電製〟の日本酒誕生 小田原の市民有志が発売再生可能エネルギー普及の一助にしようと、小田原市内の市民有志によ...
春の酒蔵、酒粕の再利用とは(粕取り焼酎)
4月になりましたね。桜が見頃になってくる頃になると、酒造りが一段落する気分になってきます。通常、10月頃から3月頃までにかけての寒い期間が、日本酒の醸造シーズンになりますので、そろそろ多くの酒蔵...
持続可能な酒造りにむけて
今、日本のものづくり産業の代表格ともいえる自動車産業に転換の時代が来ていると言われています。今脚光を浴びているEV車といえば、あのテスラ(TESLA)でしょう。車本体のみならず、同社の蓄電池技術...
光を使った酒造り
酒造りのシーズンは、10月から3月頃までが一般的です。寒い時期しか、醸造には適さないからです。参考:「寒造り」の季節へそろそろ山場は終わり、最後のラストスパートにさしかかっている蔵も多いのではな...
SAKE RE100のターゲット市場
私が、日本酒のビジネスに注力している理由のひとつは、新規の参入障壁が高いからです。酒造りするにも、酒販店をやるにも、特定の資格を持った者に権利与える、いわば許可制であるため、誰もが簡単にできるも...
日本酒の「飲み頃」
お酒には、「飲み頃」というものがある。「今が一番美味しい!」もしそう思っても、お客様の手元に届くときには厳密には全く同じにはなるとは限らない。そこに一種の虚しさも感じてしまうものだ。だから、秋の...
蕎麦屋で日本酒
たまに一人で日本酒を飲みたくなる時がある。そんな時、必ず、思い浮かぶのが蕎麦屋だ。蕎麦屋で飲みたくなる理由は、「蕎麦屋でちょっと一杯」というのが、粋な大人への憧れであり、かっこいいと感じるからだ...
日本産酒類のメタモルフォーゼ
「日本産酒類」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。業界では、国税庁などの公的資料でもよくこの言葉が登場します。日本で造られた酒のことを指し、日本酒や焼酎といったいわゆる「和酒」だけでなく、ビ...
日本酒が究極の資産を創る
早いもので2月になった。社会全体がコロナ禍で大変になっていることを想うと、つくづく健康で良かったと思う。年初に書いた一年の抱負は「健康」で、いつも忘れず、気持ちを新たにしている。<柏崎和久のビジ...
SAKE RE100が見据える時間軸
「旦那さん」「番頭さん」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか?昔話などを聞いていると、よく出て来る言葉ですが、現代の日本ではピンとこない言葉だと思います。特に、平成生まれの私にはなかなかその...
「SAKE RE100」の活動目標
【SAKE RE100の事業構想資料から】「SAKE RE100」の活動を始めてまもなく1年が経つ。この間、日本酒業界、エネルギー業界の多くの方々から、活動の目標についてご質問をいただいた。活動...
気候と呼応した「洗米」とは
1月は吟醸造りの真っ只中だ。いわゆる高級酒の仕込みが連続し、出品酒等も2月にかけて造ることが多い。「あの麹は・あの酒母は・あの醪は」と常に複数並行で温度が常時頭に浮かびながら気になっている時期で...
SAKE RE100 元年!
新年おめでとうございます。コロナ禍で多くの企業が打撃を受けている。とりわけ、飲食業界では、かつてない不確実な環境下での2021年のスタートとなった。今後も大人数での宴会等の制限が続くことを想うと...
新年あけましておめでとうございます
新年あけましておめでとうございます。昨年2020年は新型コロナウィルス(COVID-19)という世界的な脅威に見舞われた年でした。私自身が身を置く酒造業の世界では、外食シーン・飲食店・居酒屋等に...
酒蔵の再エネシフトへむけて
12月は酒造期・出荷のピーク時期が並行する、再繁忙期だ。例年だと、忘年会や新年会はじめ酒の消費量は大きく増加する。ただ、今年はコロナ禍で業界全体の消費量は落ち込んでいる。大人数での宴会、飲み会も...
「寒造り」の季節へ
来週、今冬最初の寒波が襲来するらしい。日本酒の世界には、「寒造り」という言葉がある。酒造りをする側としては、だんだん良い季節になってきた。そもそも、日本酒造りは、冬季に行うものである。そして、「...
杉玉は語る
だんだんと寒くなり、蔵も一段と酒の香りで満ちてきた。続々と搾られる新酒の芳醇な香りは、冬の酒蔵らしさを感じさせる要素の1つだ。新酒の時期、酒蔵で恒例の風物詩となるのが、「杉玉(すぎだま)」だ。ご...
日本酒学(Sakeology)とは
「日本酒学」という学問があることをご存じだろうか。世界初の試みとなる「日本酒学(Sakeology)」として新潟大学で開校されている。日本酒学とは、日本酒の歴史や、製造方法、醸造学、発酵学、地域...
常識外れの酒造り?
「想定外の酒」というものができたりする。「できちゃった酒」などと揶揄されたりもする。これは、造り手からすると、あまり良しとされるものでは無い。いかに、再現性を高く造れるかが技術だ、というのが現在...
熱燗の季節
11月になり、寒くなりました。熱燗の季節、到来です。ビールやワインなどと比較すると、日本酒ならではの楽しみ方がお燗酒。燗をすることで、日本酒の持つ様々な要素が活性化され、香味が広がります。香味が...
<色光照射発酵>酒の試験醸造をはじめます
10月に入り、連日酒造り作業が蔵では始まっています。まだまだ「寒造り」には暑い気温が続き、蒸米の放冷には悪戦苦闘する日々が続いておりますが、着々と仕込みが完了したタンクが増え、蔵の中は酵母が放つ...
SAKEの未来を握る「唎酒師」
日本酒のソムリエ「唎酒師」。飲食店をはじめ、様々な業界で活躍しているが、私はエネルギー業界に立つ「唎酒師」だ。資格認定をする「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会」(SSI)によると、「唎酒師...
国酒と呼べるか!?
「國酒」という言葉をご存知だろうか?日本酒業界ではかなり浸透した”業界用語”で、「國酒」とは日本酒と泡盛をいう。「國」の字が「国」でないところが、歴史や文化、伝統を感じる。かっこいい。ところが、...
SAKEの3つのおいしさ
酒には3つのおいしさがあるということをご存じだろうか?一つは、誰もが感じたことのある「生理的なおいしさ」。私は、サウナ好きだが、サウナ後のビールは美味い。この時感じるおいしさは、「生理的なおいし...
秋がきた
今年も酒造りのシーズンがやってきた。秋だ。蔵では、今季の仕込み前の掃除や道具準備に着手している。ついこの間の暑すぎる異常な夏は過ぎ、気づけばすぐ近くの田んぼは穂を蓄えた一面の稲で覆われている。ク...
佐渡の地酒
↑指差しているのは、佐渡の「両津火力発電所」酒どころ新潟県。その中でも佐渡は日本酒贔屓が多い。私もその一人だ。佐渡のエネルギー事業に携わる以上、先ずは、佐渡の酒を味わいに現場に来た。佐渡は、酒造...
地球という確かさ<相対主義のその先へ>
「酒屋万流」という言葉がある。酒蔵には、各固有の個性があり、各蔵の歴史やポリシー、味はまさに千差万別。原料や配合を全く同じにしても、酒蔵によって醸す酒は全く同じ味にはならない。たとえば、同じ値段...
地域循環共生圏としての「SAKE RE100」
「地域循環共生圏」という言葉をご存じだろうか?「地域循環共生圏」とは、各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合う...
SAKE RE100加盟酒蔵について
日本酒の力で再エネシフトを推進し、地酒文化を守る。
加盟酒蔵は、業界の大半を占める全国各地の小規模酒蔵が主となります。
本プロジェクトを通じて将来の「再エネ100%醸造」を目指すとともに、地酒文化の継承と持続可能でエコな酒造りを実現します。
加盟酒蔵は下記の条件を満たすことが必要となります。
1.地産地消の「地酒」を大事にした酒蔵であること。
2.「SAKE RE100プロジェクト憲章」に賛同すること。
3. 将来的に再エネ100%に切り替えていく意志があること。
Charter
SAKE RE100プロジェクト憲章
1.「SAKE RE100」は、
酒蔵と地域へ還元できる循環モデルを作る。
➢富の地域循環
2.「SAKE RE100」は、
本ブランドの売上から「環境価値」の購入及びその他施策を行い、再生可能エネルギー普及を推進する。
➢再生可能エネルギーの普及
3.「SAKE RE100」は、
酒蔵業界、エネルギー業界、環境団体、RE100推進企業、地方自治体への周知をおこない、「再エネ醸造」を全国規模へ普及する。
➢文化の継承