COLUMN

2025/

06/24

SAKEが照らす、地方と自然と未来の物語

再生エネルギー哲学日本酒

2024年12月5日、日本の「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
このニュースは、日本酒が単なる“飲み物”ではなく、地域と自然と人の営みが織りなす文化そのものであることを、改めて世界に伝えてくれました。

日本酒はかつて、郷土色にあふれる“地の酒”でした。
その土地の水と米を使い、気候に寄り添いながら造られた酒。南部杜氏、丹後杜氏、越後杜氏――各地の杜氏たちが受け継いできた技と魂。そして、酒とともに育まれてきた土地の酒肴。まさに「地酒」は、その土地の風景と人々の暮らしを映し出す鏡でした。

しかし今、全国的に味が均質化し、地の酒が本来持っていた“個性”が薄れつつあります。経済合理性を追い求めた結果、郷土料理と響き合う地酒の役割も、少しずつ失われているのが現実です。

これはエネルギーのあり方にも通じる話です。

かつては「成長」がすべてを良くすると信じられていた時代がありました。しかし、コロナ禍や自然災害を経て、私たちは気づき始めています。経済は社会の基盤ではあっても、それだけでは成り立たない。自然との共生なくして、持続可能な社会は築けないのだと。

いま、エネルギーも“地産地消”の時代へと移行しつつあります。再生可能エネルギーが地域に根ざし、地域で使われる循環型社会――それはまさに、環境省が掲げる「地域循環共生圏」の姿です。同じように、日本酒もまた、ローカルへと回帰すべきではないでしょうか。

地域の恵みを活かし、地域の個性を発信する。

エネルギーと日本酒、その二つの“地産地消”が響き合うところに、これからの地方創生のヒントがあるように思います。私は、地方の時代は「SAKEの時代」でもあると信じています。

そして、SAKE RE100はその“文化とエネルギーの融合”を体現する試みです。地酒と再生可能エネルギーのマリアージュ。地域が自然と共に生き、文化を守り、未来をつくっていく。その一滴一滴が、きっと次の時代を照らしてくれるはずです。

執筆者:柏崎和久

株式会社I.T.I、SAKERISE代表取締役

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