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春の酒蔵、酒粕の再利用とは(粕取り焼酎)

4月になりましたね。桜が見頃になってくる頃になると、酒造りが一段落する気分になってきます。通常、10月頃から3月頃までにかけての寒い期間が、日本酒の醸造シーズンになりますので、そろそろ多くの酒蔵が仕込みが終わって来る頃です。この頃になると、醪を搾った際に出る酒粕が大量に出てきます。この酒粕は、漬物用の踏み込み粕となったり、蔵によっては酒粕を蒸留することで「粕取り焼酎」を造ります。たとえば、西堀酒造では粕取り焼酎の蒸留のため、酒粕を細かくこぶし大に切る作業が始まっていきます。ステンレス製の蒸留器ではなく、原始的な木枠のせいろ蒸留を行うため、スコップで酒粕を細かく切っていき、籾殻とまぶす伝統的な方法です。約1ヶ月ほどかけて、数トンの酒粕を切っていき、蒸留をしていくため非常に根気がいる作業です。上の写真は、蒸留前の状態です。まだ白さが残っており、蒸留すると褐色に変化していきペタッと薄くなります。蒸留する際には、甘い香りが漂います。特にせいろ蒸留は、完全な密閉状態ではないため生産効率は非常に悪いのですが、その分風味が乗った、日本酒に近い特徴的な味わいの焼酎になっていきます。↑地元の農家様の肥料にしていく様子蒸留後、アルコールが抜けた酒粕は、栄養豊富な肥料となっていきます。副産物の酒粕であっても、料理だけでない様々な用途があります。捨てるところを極力少なくし、資源を循環させていくことは、日本古来の叡智です。Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)、3Rとも昨今呼ばれます。酒粕や籾殻を活用することは、廃棄物などを原材料やエネルギー源として有効利用する事例とも捉えられますが、ともすれば、簡単に捨ててしまいがちなものも、使い方を工夫することは今後も大切だと思います。「和酒」には、日本酒だけでなく焼酎もあります。日本には、芋焼酎、むぎ焼酎、黒糖焼酎など、原料によって様々なおいしい焼酎があります。日本酒の酒蔵かな?と思っても、「粕取り焼酎」を造っているところもありますので、焼酎の世界ではマイナーなジャンルですが、もし見かけたら一度味わってみて下さい。西堀酒造六代目蔵元:西堀哲也

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