従来、日本酒は郷土色豊かな飲み物であった。
日本酒の醸造責任者である杜氏は、南部杜氏、丹後杜氏、越後杜氏などと呼ばれて、日本それぞれの地域性を生かしてその土地ならではの日本酒造りが継承されてきた。
土地の水と米を使い、気候にあった創り方をし、それぞれの個性を楽しんできたのである。
そして重要なことは、日本酒の個性に合わせて、その土地に合う酒肴も育まれてきたということだ。
土地の食材が、それぞれの日本酒の個性を創ってきたとも言える。

ところが、日本酒の味が、土地や風土の個性を失い全国的に画一化される傾向になると、伝統の味を守ってきた酒肴に合わなくなってきているのもまた事実であり、郷土料理を引き立てる日本酒が、その役割をはたしていない。

経済合理性を追求してきた日本酒造りも、エネルギー問題と同様に転換点を迎えているような気がする。
エネルギーの地産地消と、日本酒の地産地消、相性が良いはずだ。

唎酒師:柏崎和久